ブラック企業で得られるものはあるのか?私の実体験を告白

この記事を書いた人

Natsuko

夫の転勤をきっかけに仕事を退職し専業主婦に。その後、明治大学のスマートキャリアプログラムを受講し、社会人の学び直しの重要性を身を持って感じる。現在は当サイトの企画運営・インタビュー活動をはじめ、WEBライターとしても活動中。


ブラック企業といえば、あなたは何を想像するでしょうか?

長時間残業、休日出勤、ノルマの重圧にパワハラ…

良いことなんて何もないと思いますよね?
そんなブラック企業で8年間働いた筆者が、ブラック企業で得られたものについてご紹介します。

私が働いていた会社

ブラック企業にもいろいろあると思いますが、私のいた会社は、パワハラと長時間労働が主なブラック要素でした。

私がいたのはいわゆるベンチャー企業でしたが、入社したころはそこまで酷い状況ではありませんでした。
しかし数年業績不振が続き、その結果ある企業に買収されました。
そして、そこから会社はブラック企業化していったのです…。

会社が買収されると同時に、社内で大規模なリストラがありました。またそれに加え、リストラ対象者以外にも多くの社員が自主退職し、その結果、いくつかの事業部がなくなったり、部署はあるのに社員が全員退職してしまった…という状況に陥りました。
私は法務部に所属していたのですが、私の部署も、気が付けば私以外の全員が退職という事態に…。

その後、人員は少しずつ補充されましたが、平均月80時間の残業と、休日出勤はなくなりませんでした。
そして毎日夜10時~11時まで働いていました。

ブラック企業で私が得られたもの

そんな絵に描いたようなブラック企業に勤めていた私ですが、そこで得られたものがあります。

それは、経験値、段取り力、トラブルへの対応力です。

他にもたくさん得られたものはありますが、この3つは今でも特に役に立っているものです。
ブラック企業で働いていた当時は、毎日辞めたいと思っていましたが、今改めて思い返すと、このように得られるものもありました。

では私の実体験を交えながら、ブラック企業で得られた3のものをご紹介したいと思います。

1.経験値

ブラック企業は残業時間が長いので、同じ年数在籍していても他の会社の1.5倍以上働いていることになります。単純にそれだけでも、普通の企業よりも経験値は高くなると言えるでしょう。

また、私がいた会社は意思決定がとても速いベンチャー企業だったので、突然新しい事業が始まったりします。
つまり、常に新しいことにチャレンジできる環境だったのです。

そのうえ人員不足なので、新しい事も自分で担当するしかありません。
大企業や優良企業のように、丁寧に誰かが教えてくれることもサポートしてくれることもないので、分からないことは自分で調べ、ゼロから一人で作り上げていきました。
このような経験は、人から指示されて作業するよりも、はるかに多くのことを学ぶことができます。

長い業務時間と、新しい経験やチャレンジがどんどんできる環境にいれば、自然と自分の経験値が上がりますし、幅広い業務経験を得ることができます。

実際に私自身も、多くの新規事業の立ち上げに関わったことから、幅広い分野の法律知識を得ることができました。
また何でも自分でやってきたので、業務範囲も広くなりました。

以上のことから、転職する時にはこの経験が評価され、転職後もすぐに業務を任せてもらうことが出来ました。

2.段取り力

ブラック企業は、上述したように、業務量が膨大で常に時間が足りません。
そのうえ、毎日突発的な業務が発生するため、常に多くの業務を同時並行で行わないといけませんでした。
つまり、段取り良く効率的に業務を行わないと、仕事が終わらないのです。

また、動きの早い会社では、いつの間にか話が変わっていて、今まで携わっていたプロジェクトが、突然白紙になったり、方向性が変わることも頻繁にあります。
自分が行う業務を無駄にしないためにも、上司や関係部署とは自分から積極的にコミュニケーションを取り、常に現状を把握することが重要でした。何か変更点があれば、その都度臨機応変に、段取りを立て直していくことも必要です。こうした能力も身に付けることができました。

段取り力は、どんな業務にも必要な能力です。
転職しても、今までと関係ない仕事についても、必ず役に立つ能力です。

私の場合、今では、主婦業にも段取り力が役立っています。
家事を段取り良く終わらせることで、学校に通ったり、友人と食事に出かけたりして、自分の時間を充実させることができています。

3.トラブルへの対応力

ブラック企業では、業務上のトラブルは頻繁に起こります。

上司からの無茶振りや、至急案件はいつものことでした。
何かにつけ、大声で呼びつけられたり、怒鳴り散らされたりもしました。
そのうえ、クレーム、取引先の倒産、従業員の不祥事、揉め事、セクハラ・パワハラ問題…
すぐに対応策を考えなければいけないことが、毎日このように起こるのです。

最初はひどく動揺しますが、慣れれば多少のことでは動じなくなり、何事も冷静に対応できるようになりました。

トラブルを解決していくことは、前述の経験値を上げることにもつながります。
トラブルは大抵、会社の業務体制に根深く関係しているものです。それらを理解して、さらに解決するという経験は、なかなか得難い経験となるのです。
また、経営的な感覚を身に着けることにも大いに役立ちます。

そしてトラブルを解決すると、社内での信用が上がり、社員の皆から頼られるようになりました。
頼られることで仕事も増えてしまいましたが、ますます経験値が上がるという循環ができ、私の経験値は大きく伸びていきました。

ブラック企業で私が失ったもの

今まで述べてきたように、ブラック企業でも得るものはあります。
しかし、失うものもありました。

それは、自分の時間、友人、健康です。

毎日夜遅くまで働き、休日出勤も多いので、自分の時間はほとんどありません。
家ではお風呂に入って寝るだけです。ご飯を作る時間も気力もありません。

時間がないので、友人から飲み会の誘いがあっても行けません。それを何年も続けると、自然と友人は減ります。

長時間勤務に加えて、精神的ストレスも相当ありますから、いろんな意味で病んできます。
数人は原因不明の体調不良で休むようになり、別の数人は精神的な苦痛を訴え、そのうち辞めていきました。

私は、数年発症していなかった持病が悪化し、さらに慢性的な胃痛を発症しました。退職して数年たった今でも通院が必要です。

まとめ

このコラムは、ブラック企業で働くことを推奨するものではありません。
ブラック企業では、早くスキルアップできる場合もありますが、失うものが確実に大きいことは確かです。
ブラック企業で働かずにすむなら、それにこしたことはありません。

なるべく早く、働きながらスキルアップしたいと思っている方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合、幅広い経験を積みたい!とベンチャー企業に転職する道を検討されている方もいると思いますが「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔される可能性もあるので、ベンチャー企業への転職は十分に検討することをオススメいたします。

また、働きながらスキルアップをする方法としては、近年では大学や専門学校で行われている「社会人の学び直し」が注目されています。
実践的なビジネススキルを身につける講座を開講している学校もありますので、「学び直し」という選択肢も、あなたのスキルアップ・キャリアアップに大きく繋がるかもしれません。
リカレント教育(学び直し教育)などを利用して、新しい人と交流したり、苦手分野の勉強してみると、スキルアップのヒントになると思います。

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