ロールモデルのインタビュー、記念すべき第1弾は、明治大学にて行われている「女性のためのスマートキャリアプログラム(以下、スマキャリと呼ぶ)」を受講し、現在研修講師として、独立・起業をされている、趙 友貴さんにインタビューを行わせて頂きました。学び直しプログラムを受講し、ビジョンが明確になったという趙さん。独立・起業を志した理由や、学び直しプログラムで得たものについてなど、ざっくばらんにお話しをお伺いさせて頂きました。(取材日:2019年2月18日)
Kanako
本日はお時間ありがとうございます。大きなキャリアチェンジを経て講師となり、また法人設立もされて大変ご活躍中の趙さん。独立にあたり大変だったこと、また学び直しプログラムを受講し何を得たか等、ロールモデルのご紹介として色々掘り下げてインタビューをさせていただければと存じます。どうぞ、よろしくお願いいたします!
|
趙 友貴(株式会社アプローズ 代表)
大学卒業後、客室乗務員として勤務。結婚を機に退職し、2005年より研修講師として大手企業、専門学校等で登壇経験を積む。2015年9月より、明治大学「女性のためのスマートキャリアプログラム」を受講し2016年に(株)アプローズを設立。コーチング、コミュニケーション、女性活躍推進研修などを企画・実施。明治大学スマートキャリアプログラム講師、女子栄養大学非常勤講師、銀座コーチングスクール新宿校講師。
|
これまでのご経歴について
学び直しプログラムを受講されるまでのご経歴を、簡単にご説明ください。
趙さん
大学を卒業後、日系と外資系の航空会社で客室乗務員をしていました。結婚を機に退職し、2005年から研修会社に就職し、企業の研修講師として活動を始めました。また約7年前からは、企業には所属せずに研修講師として独立し、個人事業主としての活動をスタートさせました。
客室乗務員から研修講師に大きくキャリアチェンジをされていますが、きっかけや理由をお伺いできますか?
趙さん
外資系の航空会社で働いていた時は、香港在住だったんです。しかし結婚を考えるようになり、結婚生活が最初から日本と香港という遠距離というのはどうかという理由もあり、退職し東京に帰ってきました。また元客室乗務員という経歴を活かしてキャリアチェンジを考えたときに、マナーやコミュニケーション力を活かす研修講師になる方が多いというのもあり、私も講師を目指そうと思い、最終的に研修会社に就職をしました。
結婚を機に日本に拠点を移したということと、今までのキャリアを生かせる職種に就きたいという想いから、講師業にキャリアチェンジをされたんですね。
趙さん
はい、そうです。客室乗務員の経験を活かし、外国語専門学校エアライン科でCAを目指す方々の面接対策講座の講師をしたりもしていました。
研修会社で講師として活動をされた後、個人事業主として講師業で独立をされていますが、独立を決断した理由を教えて下さい。
趙さん
研修会社を辞めて個人事業主になろうと思ったのは、2人目の子供を産んだ時ですね。早朝から遅い時間まで毎日仕事に行くというのが、大変になったことが一番の要因でしょうか。子供が小さいと、どうしても保育園の送り迎えなどがあるので、場合によっては仕事がまだ終わっていなくても、定時で帰らないといけないこともありました。こうした経緯から、自分のライフスタイルに合わせて働きたいと思い、個人事業主として独立しました。ちょうど下の子が1歳の時でした。
スマキャリを受講した経緯
学び直しプログラムの受講のきっかけについてお伺いします。どのように学び直しプログラムを知ったのか、なぜ受講しようと思ったのか教えてください。
趙さん
最初に社会人向けの学び直しプログラムを知ったのは、ビジネス雑誌に載っていた記事を読んだことです。そしてすぐに「こういうプログラムを受講したい!」と思うようになりました。
何かその時、お仕事のことなどで悩んでいたのでしょうか?
趙さん
研修会社にいる時は、数々の大手企業での研修のお仕事を担当していたのですが、個人事業主になり独立すると「コネなし、客なし、ほぼ収入なし」で仕事を継続的に獲得していくことが、こんなにも難しいことなのかと痛感しました。また、マナーとコミュニケーションだけを武器にしていては、この先難しいとも感じました。色々なことを学ばないといけない、学びたいと感じていたところ、雑誌の記事を見つけて、「あ!これだ!」と思いました。
独立して仕事をしていくうえでのスキルや知識を身に付けたい、という想いが強かったのですね。
趙さん
はい、そうです。すぐにでも受講をしたいと思い始めました。またその頃、ちょうど友人から明治大学で開講している「明治大学女性のためのスマートキャリアプログラム」の情報を教えてもらい、「うぎちゃん、一緒に受講しようよ!」と誘われたことがきっかけで、スマキャリを受講しようと決意しました。
スマキャリを受講されるにあたり、ご家族の反応はどうでしたか?仕事と家庭、さらに学校に通うとなると、生活も大きく変わってくると思うのですが。
趙さん
夫は私が悶々としているのを分かっていたので、特に大きな反対はなかったです。何でもやるからには120%の力を発揮して最後までやり抜きなさい!というタイプなので、反対に中途半端なことができないなといった覚悟はできました。
仕事、育児、家事だけでも大変だと思うのですが、更にスマキャリを受講をし、当時不安などは無かったですか?
趙さん
夫は普段から超多忙で、ほぼワンオペ状態。また講師の仕事もあったので、仕事をおろそかにもできない状況でした。このため入校前には、明治大学の担当職員の方に、正直に現状をお伝えし、相談した上で入校を決めました。スマキャリの場合については、欠席時のフォローなどもあったので、無事修了することができました。
スマキャリを受講した感想や、そこで得たものとは
スマキャリを受講された、率直なご感想を教えてください。
趙さん
まず、何よりも「人脈」です。沢山の素敵な方々に出会え、今の研修講師の仕事も、スマキャリでの人脈により大きく広げることが出来ました。沢山の人脈を築くことが出来たことが、本当に価値のあることだと感じています。
私もスマキャリでの人脈は大きな財産となっています。
趙さん
授業が始まったばかりの頃、「是非、スマキャリでは自分から人脈を作りに来てください」と言われた先生がいたので、積極的に色んな先生方に自分の名刺を渡しに行くようになりました。研修会社を経営される講師の先生にも、自分から「お仕事をください!」と申し出て、今でも継続的に研修のお仕事を受注させて頂いております。
また受講生からも、就職先の企業研修を依頼してくれたり、お子さんが通う小学校で子供向けのコーチングの講座を依頼頂いたりもしました。
スマキャリOGの山崎真季さんには、私の会社HPとロゴを作成してもらいましたし、今日着ているワンピースは同じくスマキャリOGの樋渡枝里子さんに作ってもらいました。
スマキャリで知り合った山崎真季さんとのツーショット
山崎真季さんに作成頂いたコーポレートサイト
スマキャリ受講中、特に印象に残っているエピソード等があれば教えてください。
趙さん
一番印象深いとなると「ビジョンロードマップ」の授業でしょうか。ビジョンを持つことの大切さを教えてもらえただけでなく、担当講師の藤野先生は、皆のビジョンを応援してくれる素晴らしい先生です。
私は第1回目の授業を終えてすぐに先生のところへ今後のキャリアについての相談に行ったんです。そしたら「あなたは研修講師だけでなく、コーディネイトやマネジメントにも適性があるよ」と言ってくださり、そこで初めて研修会社を立ち上げようと思うようになりました。
藤野先生は受講生に対し、本当に親身になってくれる先生ですよね。
趙さん
私はスマキャリ修了後、藤野先生が個人的に開かれていた「起業塾」も受講をさせて頂きました。今現在は法人設立をし、会社経営をしていているのですが、困ったことがあると今でも先生に相談の電話をしています。そうすると「大丈夫よ」といって、様々な人脈を紹介してくださったり、適切なアドバイスをくださったりします。
学び直しプログラムを受講されて、ご自身にとって何か変化はありましたか?
趙さん
ビジョンロードマップの授業で、ビジョンを達成するために、今後どのようなアクションを取るかを考え、皆の前で発表をしたんですが、スマキャリ修了後は、そこで発表したことを一つひとつ実際に行動に移し叶えることが出来ました。
まずは何よりもスマキャリの講師になったこと。自分が通って大きく成長できたスマキャリに恩返しがしたい、再就職や起業を目指す女性のサポートがしたいと強く思いました。その他、コーチングスクールの講師になる、研修会社を設立して様々な分野で活躍するプロ講師集団を創るなど、全て実現することができました。私のビジョン達成に向け、とても大きな起爆剤になったと思います。
ビジョンロードマップ講座を担当されている藤野公子先生とのツーショット。
現在の講師業について。独立にあたり大変だったことなど
冒頭でもお話しをお伺いしましたが、現在趙さんは、研修講師として独立・起業をされています。まずはこれまで大変だったこと等、お話しをお聞かせ下さい。
趙さん
独立や起業というのは、なかなか孤独だと思います。最初は一人でスタートすることが多いですし、すぐに軌道に乗るという保証も全くありません。
ですがスマキャリ受講をきっかけに、藤野先生を始め色々な方と出会い、本当に困ったときに相談が出来る存在を得ることが出来ました。起業するということは、失敗も成功も全て自分で責任を取らないといけませんが、そういう時にサポートをしてくれる人・場所・存在ができ、今はとても心強いです。
起業、独立している先輩の存在が、趙さんにとって大きいということでしょうか?
趙さん
はい、とても大きいです。自分から人脈を広げていく、と言うと少しおこがましいのですが、そういう人を自分から探していくことは、とても大切だと思います。
私の場合は、スマキャリでの学びや出会いが良きターニングポイントとなり、色んな意味での広がりができ、加速し始めました。
講師として活躍する趙さん
働き方が多様化している現代において、独立して仕事をしていきたいと考えられている方も多くいらっしゃると思います。講師業での独立を目指す場合、独立までのハードルや、特にどのようなことを意識する必要があるのでしょうか?
趙さん
研修講師の場合ですが、必ずしも何か大きな金額がかかる物を購入しないとスタートできない職種ではないので、最初の投資は少なくて済むのかなと思います。
ただ、常に新しいことを学んでいく自己投資は必要かと思います。同じスキルや知識だけでは古くなっていきますし、内容を常に最新のものにアップデイトしなければなりません。色々な所で講座を受ける等、そのような自己投資は必要だと感じます。
物理的なものではなく、常に自分自身に対して投資が必要ということですね。
趙さん
そうです。アウトプットするには、まずは沢山のインプットが必要ですよね。
私はプロコーチとしても活動をしていますが、自分にもメンターコーチも付けるようにしています。また、さらなる上級の資格を取りに、去年講座を受講し、スキル向上に努めています。また、今後自分が最も伝えたいテーマである、ダイバーシティ関連の講座なども受講をし、勉学に励んでいます。信頼と実績を得るには、常に継続して勉強し、資格を取って示せるものも必要かと思います。それこそが、企業への信頼性にも繋がるのだと思います。
仕事と家事育児の両立に加え、常に新しいことを勉強し続けている趙さんですが、新しいことを学ぶ時間の確保というのは、どうされているのでしょうか?
趙さん
私は早朝の時間を利用してますね。コーチングの資格取得の際は、まだ家族が寝ている早朝5時ごろからスカイプでセッション練習をしていました。私は夜に勉強はダメなタイプなので、睡眠はしっかり取り、その分早朝の時間を確保していました。
講師を目指されている方に向け、取得された方が良い資格などはありますか?
趙さん
研修講師を目指される方には、私はコーチングを学ぶことをおすすめしています。ティーチングだけでは研修自体うまく機能しないことがあるのですが、コーチングは双方向のコミュニケーションを取りながら進めていくので、相手が本当にやりたいと言う気持ちをキャッチしながら、相手を認めて、聴いて、質問しながら心を掴んでいく手法を身に着けられます。講師を目指される方は、コーチングを学んでおいて、決して損はないと思います。
ワークライフバランス、仕事と家庭の両立について
趙さんは仕事と家庭とのバランス、「ワークライフバランス」はどのようにお考えですか?
趙さん
ウチの場合、家事については割り切って考えていますね。ご飯は特別凝ったものは作らない、家は多少散らかっていてもしょうがない、親が過干渉にならない方が子供は育つ、と信じてやっています。
仕事も家事もどちらも100%を目指すとなると、かなり疲れてしまいますよね。
趙さん
仕事から帰ってきてすぐの毎日の夕飯作りって、中々の負担になると思いますが、ウチは一日研修で疲れた時は無理せず外食に行くようにしています。香港は共働き夫婦が多いので、8割が外食という話を聞いたこともあります。
「家では食べられないような美味しいものを食べられてラッキー!レストランに行くことで、家族と会話する時間が確保できてハッピー!」と思うようにしています。どのような状況でもプラスに捉えることが重要だと思っています。
働く女性、働く母親は、趙さんのようにもっとポジティブに考えられる人が増えるといいですね。
趙さん
子供を育てながら働く女性は、子供の面倒を十分に見ることが出来ないことで、罪悪感を抱く人も多いと思いますが、私は全く罪悪感を持つ必要はないと思っています。私も子供たちが乳幼児の頃は、“三歳児神話”を思い出しては罪悪感を抱くことが多々ありましたが、今振り返るとそんなことはまるで無い。母親も好きでやりがいのある仕事をやり、笑顔で生活することが、子供にとっても良いことだと思います。ウチの子供たちは「仕事は自分がやりたいことをやり、自分自身を大きく成長させてくれる楽しいもの」だと信じていると思います。その裏には大変なことも沢山ありますがね(笑)
読者メッセージ
最後になりますが、独立を考えている方、学び直しをどうしようか迷っている方に向けて、メッセージをお願いいたします。
趙さん
「自分が本当にやりたいこと」をまず探すのが一番だと思います。心底「やりたいこと」でないと継続することは難しいです。また、目標を達成したその先の目的や価値観、成し遂げたいミッションまで明確にすると尚良いですね。本当に自分が成し遂げたいこと、自分がどう社会に貢献したいのかを明確にすると、自然と周りに応援してくれる人が集まってくるようになり、いい循環が生まれ、ビジネスが上手くいくと思います。まずは、「自分が本当にやりたいこと」を見つけてほしいと思います。
インタビューを終えて
今回は、現在研修講師として、独立・起業をされている、趙 友貴さんにインタビューのご協力を頂きました。
働き方が多様化している現代において、独立を志されている女性も多いかと思います。独立を検討されている方には、趙さんの仕事に対する考え方や、常に新しいことを学んでいくことの大切さ、仕事と家庭とのワークライフバランスの考え方など、とても参考となる内容だったのではないでしょうか?
また学び直しのプログラム受講をきっかけに、仕事がとてもうまくいくようになったという趙さん。
実践的なビジネススキルだけではなく、かけがえのない貴重な人脈を築くことができたのは、学び直しプログラムを受講したからこそ得られるものです。学び直しプログラムの受講は、きっとあなたの想像以上のものをもたらし、良き人生の転換点となることでしょう。
趙 友貴さん、インタビューへのご協力、誠にありがとうございました!
趙さんが受講したプログラム詳細はこちら
趙さんが経営する株式会社アプローズのHPはこちら
【事業概要】
マナー・コミュニケーション・コーチング等の各種企業研修事業、講師育成事業。
https://www.applau-se.com/
|
インタビュアー
Kanako
大手企業からベンチャー企業まで3社を経験。退職を機に明治大学のスマートキャリアプログラムを受講し、学び直しの重要性を体感。その後、当サイトの企画・運営に携わる。
|
Copyright secured by Digiprove