12単位以上の科目を履修すると文部科学省認定の「履修証明書」の交付を受けられる他、受講料の最大70%がハローワークより支給される「専門実践教育訓練給付金制度」にも認定されており、今後、ますます多くの女性が受講されることが予想されます。
今回は、受講を検討されている方々に向け、関西学院大学「ハッピーキャリアプログラム」の魅力やプログラムの内容、就職支援などの詳細について、講師 兼 事務局チーフ・コーディネータの船越伴子先生に伺いました。(取材日:2019年4月17日)
目次
プログラムや受講者について
まずプログラムについてお伺いいたします。「ハッピーキャリアプログラム」は社会人女性に向けたビジネスプログラムということですが、具体的にはどのようなプログラムでしょうか?
ハッピーキャリアプログラムでは、現在「女性の仕事復帰・起業コース」と「女性リーダー育成コース」の2つのコースがあり、主に仕事復帰を目指されている女性の再就職・起業・育児休業からの復帰支援や、役員・管理職などのリーダー職を目指す女性のキャリアアップを支援するビジネスプログラムです。
また、「女性の仕事復帰・起業コース」は今年(2019年度)で12年目、「女性リーダー育成コース」は6年目を迎え、これまでに合計300名以上の修了生を輩出しています。
「女性の仕事復帰・起業コース」「女性リーダー育成コース」の2つのコースについて、それぞれのコースの詳細や、受講されている方が実際どのような方なのか、お伺いできますか?
このコースは、企業の経営・管理に必要な組織マネジメント力やリーダーシップ、意思決定力、課題解決力など、リーダーとして必要な能力を高める内容で、実践的な方法で進めていきます。
受講期間は10か月間、授業は平日夜間18:30~21:30と、土曜日に行われます。
「女性リーダー育成コース」の受講生は、実際にはどのような方が受講されているのでしょうか?
続いて「女性の仕事復帰・起業コース」についても、コースの詳細や受講生についてお伺いできますか?
コースの概要ですが、ビジネスに必要なビジネススキルやコミュニケーションスキルを身に付ける他、履歴書の書き方や模擬面接など、再就職や転職の準備をしたり、起業に必要なノウハウを学びます。
このコースも20代~50代までの幅広い年代の方が受講されており、ボリュームゾーンは30代~40代の方がメインですね。
受講期間は6か月間、授業は平日昼間を中心に行われます。
「女性の仕事復帰・起業コース」は大きく分けると、再就職を目指される方、起業を目指される方、育休中の方という対象者になるということですが、受講生の割合としては、平均としてどれぐらいずつの割合になるのでしょうか?
「女性の仕事復帰・起業コース」の受講者の方は大阪近県にお住いの方が多いのでしょうか?
ただ過去には、滋賀県から通われている方や、徳島県からバスで通われている方もいました。
授業について(レベル感、雰囲気、欠席時の対応)
授業のレベルや進め方に対し、お伺いします。
「女性の仕事復帰・起業コース」「女性リーダー育成コース」どちらのコースも、幅広い年代、これまでの経歴などが大きく異なる者同士が一緒に勉強していくことになります。受講を検討されている方の中には、授業のレベル感や、どのように授業が進められるのか、漠然と不安を感じる人も多いと思いますので、詳細をお伺いできますか?
授業についていけるかどうかについては、年齢や役職の違いというよりも、今まで携わってきた仕事に大きく影響されると思います。例えば経理業務をされてきた方は、経理会計・ファイナンスなどが強いですが、そうでない方は年齢や役職に関わらず、数字に苦手意識のある方もいます。逆にマネジメント系の授業ですと、すでに役職が付いているような方は、これまでの実際のマネジメント経験があると思うので、経験に基づいて話が出来る部分があると思います。
「女性リーダー育成コース」では20代~50代までの幅広い方が受講されるということですが、どうしても経験の差というものが生じてくると思います。年代やポジションにより、レベルに偏りがあるということはないのでしょうか?
例えば、年齢を重ねた方がお話上手の方が多かったりしますが、クリティカルシンキングは若い人の方が飲み込みが早いなどの話は聞いたりします。受講生の皆さん同士で、苦手なところを助け合いながら受講をしているので、受講生全体でみるとバランスが取れて、お互い補完し合っているのだと感じます。
ただし勉強は必要なので、皆さん予習や復習はきちんとされているようです。
「女性リーダー育成コース」では、現在お勤めされている方が対象ということですが、受講生の皆さんは、ご自身の実務に直結されるような科目を履修されることが多いのですか?
続いて「女性の仕事復帰・起業コース」のレベル感についてはどうでしょうか?特にブランク期間が長い主婦の方などは、授業についていけるのかと不安に思われる方も多いと思うのですが。
マーケティングや会計などの専門的な実務を学ぶ科目については、事前学習なしですと難しいと感じられる方や、不安だと思う方は、シラバスに記載している課題図書を事前に読まれることをオススメします。
両コースともにですが、どのような受講形式で授業は進行していくのでしょうか?座学中心の授業が多いのでしょうか?
授業により多少異なりますが、『講義・ディスカッション・発表』という感じで進む授業が多いと思います。
続いて、欠席や遅刻時の対応についてお伺いいたします。受講期間中、仕事や家庭の都合でやむを得ず欠席や遅刻をしてしまうこともあると思いますので、詳細をお伺いできますか?
なお「女性リーダー育成コース」については、e-ランニングというビデオ学習ができるサポートがあり、欠席した場合は必ずe-ラーニング学習をしてもらいます。ただし、e-ラーニングを受けても欠席は欠席になり、出席になるわけではありません。
「仕事復帰・起業コース」はe-ラーニングでの学習サポートはありません。このため仲間内で聞いたり、講師に確認したりして、欠席された授業をキャッチアップしてもらうようにしています。
受講生の学校生活について(受講中の活動、平均履修科目数、通学頻度など)
受講生の普段の学校生活についてお伺いします。受講生の皆さんは受講期間中、どのように過ごされているのでしょうか?
また授業以外の部分ですと、授業によってはグループでプレゼンや発表があり、その準備のために、授業時間外で他の受講生と時間の調整をする必要があります。授業後集まるとか、別の日時で時間を調整し集まったり、最近では、SNSなどを使いながら、オンライン上で作業を行うというパターンも増えてきています。また以前は、温泉で親睦旅行も兼ね、合宿で課題に取組んだというグループもありました。
皆さん、仕事や家庭でお忙しいなか、調整されてグループの課題を進められていたのですね。
「女性の仕事復帰・起業コース」についてもリーダーコース同様、グループワーク中心の授業がありますが、午前中の授業と午後からの授業の間や、授業の前後で時間調整し、集まってワークをされているケースが多いです。
ハッピーキャリアプログラムは、受講する単位数(授業数)が人それぞれ異なるかと思います。参考までに、どのぐらいの単位数を受講されるケースが多いのか、週何回程度通学されている方が多いのか、お伺いできますか?
企業派遣で受講されている方や、育休中の方の場合は、必修科目のみ、または必修+1~2科目を受講される方が多いですね。必修のみでしたら、週1回程度の通学になります。
キャリア支援・ハッピーサポートについて
ハッピーキャリアプログラムで受けられるハッピーサポート、並びにキャリア支援について、詳細をお伺いできますか?
「女性リーダー育成コース」では、経営トップセミナーや、メンター相談会、ご自身の上司にご参加頂く上司タイアッププロジェクト、履修生専用会員SNS、キャリアカウンセリング等があります。
「女性の仕事復帰・起業コース」では、履歴書の書き方や模擬面接などの就職セミナーや、キャリアカウンセリグ、インターンシップなどを実施しています。
ハッピーサポートは、受講期間中、何回程度受けることができるのでしょうか?
上司タイアッププロジェクトというのは、他の大学等でも実施されていない取り組みですね。実際にどれぐらいの上司の方に来て頂いているのですか?
「女性の仕事復帰・起業コース」についてですが、ハッピーサポートの内容を確認すると再就職をサポートする内容が主ですが、起業を目指されている方へのサポートは何かあるのでしょうか?
実際、商店街で「はぴきゃり屋」というパン屋を試験的に開業して、新聞に取り上げていただいたこともありました。
「女性の仕事復帰・起業コース」についてですが、再就職を目指されている受講生のうち、実際に再就職を決められた方はどの程度いますか?また、どのように就職活動を行っていたか等、詳細をお伺いできますか?
また就職活動については、学校側が積極的に何か活動を促すということはなく、あくまで受講生ご本人が就職先を見つけて来られるパターンが基本です。学校に求人が来ると受講生にお知らせをしますが、自分の目指したいキャリアや仕事があるので、基本的には受講生本人が主体的に動いて、ハローワークや、人材系の会社に登録をする等し、再就職を決められます。
9割以上の方が再就職をされているというのは凄いですね。また、受講生自身が主体的に動かれて就職を決められているという事実にも驚きました。受講生の方は、だいたいどれぐらいの時期から就活をスタートされ、また何社ぐらい応募されているのでしょうか?
他大学との違いについて
社会人女性向けの学び直しプログラム(リカレント教育)は、京都女子大学等、他大学でも実施されていますが、関西学院大学ハッピーキャリアプログラムは、他大学と何が違うのでしょうか?
例えば、「仕事復帰・起業コース」では修了生が主体となって開催する『修了生セミナー』というものを毎期開催しています。また、「女性リーダー育成コース」では1期~5期の修了生合同のOG会があり、年1~2回講師をお招きして勉強会を開催しています。プログラム修了後も皆さんで集まって勉強をする機会を作られており、修了生同士の繋がりがとても強いと感じています。
同期だけでなく、期を超えて修了生同士が交流をする機会もあるのでしょうか?
それから過去には、「仕事復帰・起業コース」と「女性リーダー育成コース」の合同で、SNS立ち上げ大会を開催したこともありました。両コースの合同授業というのもありますので、そこで繋がりを持ち、コースの違いに関係なく交友関係を築かれた方もいます。
入校前の面接について
ここまで色んなことをお伺いし、きっとこのインタビューを通して、関西学院大学の「ハッピーキャリアプログラム」を受講したい!と思われた方も多いと思います。そこで、入校前に行われる面接について、具体的にどのような面接になるのか、詳細をお伺いできますか?
面接に臨むにあたり何か準備をすることや、面接に臨む際の心持ちなど、アドバイスをお願い致します。
受講を検討されている方へのメッセージ
最後になりますが、受講を検討されている読者の方へ、メッセージをお願い致します。
受講期間の半年または10ヶ月間は、結構長いと感じられるかもしれませんが、修了するときは本当にあっという間だったと皆さん言われています。一生の中でのわずかな期間を、これから続く人生の財産にしてもらいたいと思います。また、自分一人で悩んでいても可能性というのはなかなか広がりません。これだけの多様な人が集まっている中に身を置くことで、ものの見方や考え方も変わりますし、人生が豊かに広がるのではないかなと思います。是非その広がりを期待して来ていただきたいと思います。
インタビューを終えて
今回は関西学院大学で開講されている「ハッピーキャリアプログラム」について、講師 兼 事務局チーフ・コーディネータの船越伴子先生にインタビューのご協力を頂きました。
女性のリカレント教育のパイオニアとして、関西学院大学では、長年社会人女性向けのビジネスプログラムを開講されています。
ブランク期間が長くもう1度社会に出て働いてみたいと考えている主婦の方から、今よりもスキルアップをしたいと考えている方、管理職や役員などのリーダー職を目指されている方まで、幅広い社会人女性を支援されているハッピーキャリアプログラムで、是非あなたも学び直しに挑戦してみましょう!
船越先生、インタビューへのご協力、誠にありがとうございました!
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インタビュアー Kanako 大手企業からベンチャー企業まで3社を経験。退職を機に明治大学のスマートキャリアプログラムを受講し、学び直しの重要性を体感。その後、当サイトの企画・運営に携わる。 |
※授業風景や受講生の写真は学校よりご提供いただきました。
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