- 事務職への転職を検討する上で、事前に知っておきたい求められるスキルや採用基準などを解説
- 契約・派遣社員から、事務職への正社員採用を目指すために必要なこととは?
- サービス業・販売業などから事務職へのキャリアチェンジを目指すためには、どのような準備・対策が必要か?
30代、40代の女性の中には、今よりも年収をアップさせたい、家庭との両立がしやすい職場に移りたいなどの理由から、転職を考える方も多いと思います。しかし、30代~40代は結婚や出産、子育て、親の介護など、20代の頃とは異なり、ライフイベント等により、なかなかうまく転職活動が進まないという方も多いのではないでしょうか?
また、特に女性に人気の事務職に転職をしたいとなると、人気職種であるからこそ、正社員での採用は狭き門…。
正社員で事務職に採用されている人って、一体どんな人なんだろう?
このような不安を抱えられている方も多いと思います。
そこで今回は、30代~40代の女性が、事務職に転職を検討する際に、事務職への正社員採用を勝ち取るために知っておくべきポイントについて、分かりやすく徹底解説したいと思います。
目次
事務職の正社員転職が難しい理由
まず最初に、事務職の正社員を目指すことの難しさ等について、現在の実情を知っておきましょう。
正社員への転職がどの程度難しいのかを知ることにより、あなたに必要な対策や準備が見え、効率的に転職活動を進めることが出来ます。
事務職が女性に人気な理由としては、主に下記の理由が挙げられます。
- 営業や接客、専門職は仕事内容が大変そうだから
- 座り仕事のため、体力的にハードじゃないから
- 土日休みで残業が少なそうだから
- 特別なスキルがなくても、目指せそうだから
このような理由で、事務職を目指したいと思われている女性は多いのではないでしょうか?
「事務職=無理なく働けて、誰でも出来そうな仕事」というイメージを持たれている人も多いことでしょう。
しかし、実際の「事務職」を取り巻く転職・就労の実情はどうなのでしょうか?
- 採用枠自体が他の職種に比べ極端に少ない
- 競争倍率がかなり高い
- 派遣やアウトソーシングを利用する会社が増え、正社員で事務職を採用をする会社は減少傾向に
- IT技術の進化により、事務職は「消えゆく職種」の代表格に
一つ一つ、現在の「事務職」を取り巻く実情について、詳しく見て行きましょう。
採用枠自体が他の職種に比べ極端に少ない
まず一番最初に知っておきたい実情としては、事務職は採用枠自体が、どの企業でもそもそも少ないということです。
事務職とは他の社員のサポートを通して、会社を支える仕事です。営業職のように会社の業績に直接的に貢献するわけではなく、あくまで他の社員がスムーズに仕事が行えるように支援をするポジションのお仕事になります。
上記を踏まえ、簡単な例を挙げて説明していきましょう。
例えば、50人規模の中小企業を例に、下記のイラストのような構成比の場合、事務職(一般事務)に就いている従業員は何名いるでしょうか?
正解は、50名中たったの1~3名程度です。
もちろん業界や会社ごとに人員配置などは変わりますが、事務のポジションは他の職種(営業職など)に比べて、極端に少ないと言わざるを得ないでしょう。
また、事務職は離職率が低く、ポジションになかなか空きがうまれないため、求人募集する頻度自体も非常に少ないのが現状です。
競争倍率がかなり高い
すでにご存知の方も多いと思いますが、事務職は女性に人気の職種であることから、その競争倍率はかなり高いものとなります。
まずは転職希望者の有効求人倍率がどうなっているのかを見ていきましょう。
「仕事の数(有効求人数)」を「仕事をしたい人の数(有効求職者数)」で割った数値のことを言います。
- 「1」より大きくなるほど求人数(仕事の数)が多く、働き手が足らない状況です。
- 「1」より小さくなるほど求職者数(仕事をしたい人の数)が多く、仕事探しが難しくなります。
ご覧いただいて分かる通り、「事務・アシスタント系」の職種は、他の職種の有効求人倍率に比べて極端に倍率が低くなっていることがお分かりかと思います。(約0.3倍前後)
事務職は厳しい椅子取りゲーム状態
もっと分かりやすく、有効求人倍率を噛み砕いた説明をすると、椅子取りゲームを思い浮かべてみて下さい。
あなたの目の前には100席分の椅子があるとします。
最も有効求人倍率が高い「技術系(IT/通信)」の職種に転職を希望する場合(有効求人倍率10倍前後)、椅子が100席あるにも関わらず参加者はたったの10名だけ。これなら、必ずどれかの椅子に座れますし、どの椅子に座ろうかじっくり悩んだり検討することが出来ますよね。
反対に最も有効求人倍率が低い「事務・アシスタント系」に転職を希望する場合(有効求人倍率0.3倍前後)、100席の椅子に対して、参加者はなんと333名!本当の椅子取りゲームであれば早いもの勝ちですが、実際はスキルのある人材からどんどん椅子を獲得していくようになります。
また「技術系(IT/通信)」とは異なり、じっくり悩んだり検討することが出来る人材はごくごく一部。ほとんどの人は空いている椅子に提示されている条件(年収や仕事内容等)で折り合いをつける他ありません。それでも椅子の数は限られているため、事務職の椅子を勝ち取るためには、他のライバルよりも秀でたスキルをアピールしたり、若さを武器に戦っていくようになります。
以上のように、事務職に転職を希望する場合、とにかく他の職種に比べてライバルが多く、競争倍率がとても高いということを認識しましょう。
正社員で事務職を採用をする会社は減少傾向に
女性に人気の事務職ですが、近年では正社員での事務職を採用する会社は減少傾向にあります。
と言うのも、事務業務に対して、派遣やアウトソーシングを使う会社が増えてきているとう現状があるからです。
会社としては、出来る限り人件費は抑えたいものです。
しかし経営陣や管理職のポジションにあたる人はもちろん、直接会社の業績に貢献するような営業職や企画職、または専門職に従事している人については、下手に人件費を抑えると、より良い条件の会社に転職をされてしまったり、また新たに良い人材を獲得しようにも困難になります。
しかし、事務職の場合はどうでしょうか?
上述したように、事務職とは他の社員のサポートを通して会社を支える仕事です。あくまで他の社員がスムーズに仕事が行えるように支援をするポジションのお仕事のため、一定の事務処理スキルがあれば、正社員でなくても、派遣スタッフやアウトソーシングで十分な場合が多く、正社員を雇用するよりも人件費にかかるコストが安く抑えられるという実情があります。
IT技術の進化により、事務職は「消えゆく職種」の代表格に
皆さんもご存知の通り、現代のテクノロジーの進化・発展はとても目まぐるしいものになっています。
そしてこのテクノロジーの進化・発展が、現在の労働市場を大きく揺さぶり、今までの生活や働き方さえも、大きく変えようとしています。
今後は人工知能(AI)に仕事が奪われるのでは…と不安の声もあがっていますが、これは遠い未来の話では無く、この先10年ぐらいの話です。
機械(AI)が得意とする分野は、いわゆる定型的な業務(ルーティン業務)です。定型的な仕事とは、言い換えると、仕事のやり方をマニュアル化できる業務ということになります。
つまりほとんど日々の業務内容に変化がないような仕事、例えば一般事務、経理事務、営業事務、または銀行の窓口業務など、これらの仕事は、将来仕事のやり方をプログラムしたコンピュータが登場し、今のポジション(例え正社員であったとしても)にいる人々の業務を奪うのではないかと言われています。
実際に、どんどん便利なITツールが登場し、事務処理業務を中心に仕事の効率化が進んでいます。
代表的な例でいうと、パソコンの登場ですよね。昔はそろばんや電卓を使って計算をしていましたが、今ではExcelを使えば、大量のデータであってもスピーディーに、かつ人間よりも正確に計算をしてくれます。
今後、更に便利な事務処理ソフトや、事務処理ロボットが登場すれば、多くの人材を雇用せずともより正確でスピーディーに事務処理が行われていくようになり、またコスト面でも大幅な人件費削減に繋がります。事務作業に関しては今後積極的に正社員採用をするのではなく、派遣スタッフや契約社員など「非正規雇用」を中心に人員配置を考える企業が益々増えていくことが考えられるでしょう。
事務職の正社員に求められる、スキルや採用基準とは
事務職の正社員転職が難しいことはお分かり頂けたと思いますが、数が少ないながらも、事務・正社員の求人自体はあります。
また事務未経験の方や、年齢が若くない30代~40代の女性でも、事務職の正社員への転職を決め、生き生きと働いている人がいます。
そこで次は、事務職の正社員採用に求められる、スキルや採用基準について、確認していきましょう。
人事担当者が見ている4つのポイント
事務職に関わらず、企業の人事担当者は、求職者のスペック・スキルをどのように見て、採用するかしないかを判断しているのでしょうか?それぞれの会社ごとに「採用で重視するポイント」というのは変わってきますが、ここでは一般的に人事担当者が見ている4つのポイントを説明をしていきます。
主に人事担当者が見ているポイントとは、
- ポテンシャル(その人材が持つ潜在的な能力、将来性)
- スタンス(仕事に対する考え方や姿勢、企業と価値観が同じかどうか)
- ポータブルスキル(仕事のし方や人との関り方など、業種や職種が変わっても通用するスキルの高さ)
- テクニカルスキル(そのポジションに必要な専門的なスキルの高さ)
上記の4点と言われています。
聞きなれないワードだと思いますので、より簡単に分かりやすく説明していきます。
ポテンシャル
ポテンシャルとは、ズバリあなたの潜在能力のことを言います。
未経験での応募であったり、スキル・経験不足であっても、面接官はあなたの潜在能力を見極めて、あなたの将来の可能性を考慮し、採用するかどうかを判断します。
面接では、仕事への意欲や、入社後どのようなキャリアビジョンを持っているかなどで、あなたのポテンシャルを判断しています。
スタンス
スタンスとは、あなたの仕事に対する姿勢(仕事への考え方や取り組み方)のことを言います。
面接官は、応募するポジションであったり、企業の価値観とあなたのスタンスがマッチするかどうかを見極めて、採用をするかどうか判断します。
例えば事務職の場合は、他の社員のサポート役を担うポジションですから、あなたの仕事への取り組み方を聞かれるような質問をされた場合、リーダーシップ能力やチャレンジ精神を主張するよりも、コミュニケーション能力や、仕事への正確性やスピーディーさをアピールする方が適切だと言えます。
ポータブルスキル
ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても通用するスキルのことを言います。
ポータブルスキルの主な項目は、厚生労働省が以下のように発表しています。
つまり、「仕事のしかた」はいわゆる「PDCAサイクル」をきちんと回してプロジェクトを完遂することができるかというスキルのことを言い、「人との関わり方」はコミュニケーションや教育、マネジメントに関するスキルのことを言います。
事務職の場合、女性に人気で常に競争倍率も高いため、業務経験や仕事の専門スキルに加えて、このようなポータブルスキルも持ち合わせていることをアピールすれば、他のライバルよりも面接官により良い印象を残せるでしょう。また、未経験から事務職への転職を検討している方の場合は、事務経験者に比べてどうしても採用を勝ち取る確率が下がってしまいます。このため、ポテンシャルやスタンスに加え、ポータブルスキルをあなたの強みとして積極的にアピールして行く必要があります。
テクニカルスキル
テクニカルスキルとは、そのポジションに必要な専門的なスキルのことを言います。
主に履歴書や職務経歴書に書くことができる内容のことで、これまでの業務経験の内容や、保有している資格(簿記検定、TOEIC等)などもテクニカルスキルに当てはまります。
面接官はあなたのテクニカルスキルを確認し、「具体的に仕事で何ができるか」「何を任せられるか」ということを判断します。
年齢が若ければ、ポテンシャルなどの将来性を重視してくれますが、30代以上からはテクニカルスキルやポータブルスキルを持ち合わせていない場合、正社員での転職は非常に厳しいと言えるでしょう。
事務職に必要なスキルとは?
それでは続いて、事務職に正社員で転職を希望する場合、どのようなスキルが求められているのでしょうか?一般的に「事務職を目指すなら持っておきたい知識やスキル」は下記の通りです。
- Excel、Word、PowerPointなどのオフィス系PCソフトを使えるスキル
- メール対応スキル(メールソフトの知識やビジネスメールの作成スキル等)
- 資料作成スキル
- 電話対応・来客対応
- コミュニケーションスキル
上記はあくまで、正社員の事務職に応募するときに、最低限持ち合わせていたいスキルだと考えて下さい。
まだ年齢が20代であれば、スキル不足であっても、ポテンシャル採用で、あなたの伸びしろや将来性に期待しての採用があるかもしれませんが、30代以上の場合、もし上記のスキルに自信がない、またはスキルを持ち合わせていないと感じられる場合、正社員での事務職に転職というのは非常に困難であると言えます。
また上記に挙げた事務スキルがある場合でも、年齢が35歳以上~のミドル層の場合、どうしても年齢面において不利になります。同じスキルを持ち合わせている求職者がいる場合、企業は今後のポテンシャル(将来性など)を考慮し、どうしても年齢が若い求職者を採用する傾向にあるからです。このため、35歳以上の方は上記のスキルに加えて、ポータブルスキルを持ち合わせているかどうかという点が、正社員転職を勝ち取ることが出来るかどうかの分かれ目になってくることでしょう。
もしこのようなお悩みを抱えられている場合、事務職への正社員採用を勝ち取るためには、十分な準備と対策が必要です。
では、どのような準備や対策が必要なのでしょうか?詳しくは、次項でご説明していきます。
ビジネススキルを底上げするために検討すべきこと
前述をしている通り、年代が上がるほど、即戦力として活躍ができる人材が求められます。
そのポジションに必要な専門的なスキル(テクニカルスキル)が重視される傾向にあるため、30代~40代で事務職の正社員への転職を目指す場合、応募をする事務職の種類に応じて、ある程度即戦力として活躍ができる専門スキルがないと、なかなか正社員での転職は望めません。
また、35歳以上のミドル層になってくると、専門スキル以外に、ポータブルスキル(仕事の仕方に関するスキルやコミュニケーション、マネジメントスキル等)も重要視されてきます。
そこであなたのビジネススキルを底上げするために、是非積極的に利用を検討して頂きたいことをご紹介します。
無料だけど手厚い!東京しごとセンターを活用する
まずは事務関連の専門スキルを身に付けるために、是非活用をして欲しいサービスをご紹介します。
それは東京都の公的サービスである、「東京しごとセンター」の利用です。
ここで受けられる主な就職支援サービスは、
- 一人ひとりに専任アドバイザーがつき、キャリアカウンセリングをはじめ、親身に今後の就職相談に乗ってもらえる
- 事務スキル・パソコンスキルの修得ができる講座の受講
- 定期的な企業説明会や職場体験の機会の提供 など
東京しごとセンターでは、これらの手厚いサービスが全て無料で受けることができるため、関東圏にお住いの方には是非積極的に利用をして欲しいオススメの就職支援サービスです。(東京で就職を考えられている方であれば、東京近県にお住まいの方でも利用可能です!)
東京しごとセンターには下記のような窓口が設置されています。
この中でも特にオススメなのが、女性の再就職支援窓口の「女性しごと応援テラス」と、「非正規から正社員を目指す方向けの窓口」です。
事務職未経験の方には「女性しごと応援テラス」がオススメ
まず、女性の再就職支援に特化した「女性しごと応援テラス」では、事務職未経験の方に特にオススメです。
と言うのも、パソコン実習をはじめ、就職に役立つ知識や、職種別の実習(事務・経理・人事給与・医療事務などのコースあり)、再就職経験者との交流会や、1日~3日間程度の職場体験など、役立つ内容が盛り沢山の「女性再就職サポートプログラム」というものに、無料で参加が可能だからです。
開講されるプログラムの内容は、主に下記内容となります。(※プログラム初日時点で54歳以下の方が対象)
事務基本コース | 事務職の基本知識(お客様対応や電話対応の実践)、ワード・エクセルなどのパソコン操作、ビジネスメールのマナーなどを総合的に学ぶ。 |
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経理基本コース | 経理事務の基本知識(簿記の目的や、具体的な仕訳についての勉強)、会計ソフトの基本操作方法、試算表や決算処理などについて総合的に学ぶ。 |
人事給与コース | 給与計算業務についての基本知識(仕組みや、知っておきたい法律知識等)、給与計算ソフト基本操作方法、労働保険・社会保険の事務手続きなどについて、総合的に学ぶ。 |
医療事務コース | 医療事務の基本知識(流れや、点数採点の基礎、カルテの見方など)、ワード・エクセルなどのパソコン操作などを、総合的に学ぶ。 |
※各コース、再就職経験者・人事担当者との交流会、職場体験(1日~3日)がプログラムに入っています。
女性しごと応援テラスについての詳しい内容は、下記の記事にまとめてありますので、是非一度お読みください。
非正規から正社員を目指す方には、「非正規から正社員を目指す方向けの窓口」の利用を
また、「非正規から正社員を目指す方向けの窓口」では、5日間の集中プログラムとマンツーマン支援で早期正社員就職を目指すプログラムの提供が行われており、こちらも正社員として転職を考えられている方には大変オススメです。(30歳から44歳の方が対象)
ビジネスプログラムの受講を検討する
ビジネススキル全般にあまり自信がない場合や、ある程度の事務スキルはあるけれどポータブルスキル(仕事の仕方に関するスキルやコミュニケーション、マネジメントスキル等)を身に付けたいと感じている方は、思い切ってビジネスプログラムの受講を検討してみましょう。
ビジネスプログラムなんて、どこで受講すればいいの…?と感じられている方も多いと思いますので、今回は大学が開講しているリカレント教育プログラムと、スマホやPCから受講できるオンラインで学べるビジネスプログラムをご紹介します。
大学が開講しているリカレント教育プログラム
まず、ビジネスプログラムの中でも、特にオススメなのが、大学が開講しているリカレント教育プログラムです。
リカレント教育とは、働くことが前提での学びのことで、仕事に活かせる(直結する)知識やスキルを修得する教育のことです。つまり、労働市場におけるあなたの市場価値を高めるために受ける教育のことを指します。
例えば、東京の明治大学で開講されている「女性のためのスマートキャリアプログラム」は、女性に特化しているビジネスプログラムです。半年間という短期集中のビジネスプログラムではありますが、マーケティングの基礎、金融財務、プレゼンテーションなど、ビジネスの基本が習得できる授業から、実際の企業を招いての実践型のゼミナール授業、今後の自分の生き方を考えるような自己啓発系の授業まで、ビジネスの実践力を総合的に学べるプログラムです。
20代後半から50代までの幅広い方々が受講されており(受講者の平均年齢は43歳)、昼間コース、夜間・土曜主コースの2種類のコースが提供されています。
昼間コースは女性の再就職支援にも力を入れており、これまでに大手飲料メーカーに正社員の事務職として就職された方を輩出するなど、実績があるプログラムです。また、現在働いている方は夜間・土曜主コースの受講がオススメです。同じように働きながら受講する多くの女性達と出会うこともでき、ビジネススキルの底上げはもちろん、新しい仲間との出会いも含めて、大変刺激になるビジネスプログラムとなっています。
明治大学で開講されているビジネスプログラムの詳細は、こちらの記事をお読みください。
その他にも、東京や大阪といった大都市圏中心に、大学が開講する女性向けのリカレント教育プログラム(ビジネスプログラム)が開講されています。詳しくは下記の記事にまとめてありますので、是非お読みください。
現在日本では、国をあげて社会人の学び直し(リカレント教育)の推進を推し量っており、なんと国(ハローワーク)から受講費用の最大70%が支給されるという制度も整備されました。(返済義務なしの「教育訓練給付金制度」)
教育訓練給付金制度に関する詳細や、手続き、条件などは、コチラの記事で詳しくまとめていますので、是非ご確認ください。
オンラインで学べるビジネスプログラム
忙しくてなかなか通学して学ぶことが難しいという方の場合は、オンラインで学べるビジネスプログラムの受講を検討しましょう。
近年、社会人に向けた様々なオンライン学習サービスが登場していますが、その中でも特にオススメのプログラムは、「グロービス学び放題」というサービスです。
高品質なビジネススキル動画で、ビジネスに必要な知識やフレームワークを手軽に学ぶ事ができるオンライン学習サービスです。
思考・マーケティング・財務・マネージメントなど、ビジネスマンに必要なあらゆる基礎知識を網羅的に学ぶことが可能となっています。
また1か月あたり約1650円と、新書のビジネス書1冊分ほどの費用のため、費用対効果もかなり高いと評判が良いことが特徴です。
「グロービス学び放題」については、下記の記事に実際に利用した感想や評判などをまとめてありますので、是非お読みください。
事務職への正社員採用を勝ち取るために、今後のキャリアビジョンを考える
ビジネススキルの底上げをすること以外で、事務職への正社員採用を勝ち取るために必要な準備・対策すべきこととしては、今後どのような働き方をしてキャリアを築いていけば、事務職の正社員として転職が出来るのか、今後のキャリアビジョンを考える必要性があります。
キャリアビジョンとは、5年後、10年後、20年後に、あなたがどのようなキャリアを築き、どのように仕事をしていたいかという未来像(将来の計画)のことです。
ビジョンには、人を大きく成長させる力があります。
将来なりたい姿の状態や光景、自分自身が実現したいことをしっかりと描くことで、ゴール(目標)がクリアになり、そのゴールに向かってどのような行動が必要なのか、本当に目指したい未来の姿に向かって、ブレずに動くことができるようになります。
徹底的な自己分析(キャリアの棚卸し)
まずはこれまでの経験を振り返り、今の自分にはどのようなスキルがあり何が出来るのか、また自分に欠けているスキルは何であるかを見つめ直したりなど、徹底的な自己分析を行うことが、転職を成功に導けるかどうかの大きな鍵となります。
あなたは、これまでどのような仕事に携わってきましたか?
これまで経験してきた仕事について、どのようなことに携わっていたのか、仕事の進め方ややり方はどうであったか、取得した資格や、今までで一番自分を成長させた経験は何であったか等、出来る限り詳しく書き出してみましょう。
例えば事務職の経験がある場合、「事務職」と一口に言っても、その業務内容の幅は広く、働く会社や部署によって実際に携わっていた仕事内容自体も大きく異なります。
「事務職」のスキルに関して簡単な例を挙げて説明すると、
書類作成 | |
---|---|
A | ひな形が用意されており、必要な箇所のみ修正を行って書類を作成していた。 |
B | ゼロから書類作成をしたり、ひな形自体を作ることもしていた。要望に沿った書類を臨機応変に作成できる。 |
事務職というくくりであっても、Aのみの業務をやっていた人とBの業務もやっていた人では経験値が大きく異なります。もしBの実務経験があるようでしたら、「書類作成」という経験の他に、PCスキルの一つである「ワードスキル」も中級以上とアピール出来るでしょう。
このように、出来る限り詳しくどんな仕事をしたか、どんなことに取り組んだかなどを事細かに見直していくことが重要です。
長期的なキャリアビジョンを明確にする
徹底的な自己分析(キャリアの棚卸し)がしっかりと出来たら、次に今後の長期的なキャリアビジョンを考えていきましょう。
突然ですが、あなたは今までどのように仕事を選んできましたか?また仕事を決める際に何を一番重視していますか?
- 仕事内容
- 給与
- 勤務エリア
- 勤務時間や残業の有無
- 福利厚生などの従業員に対する制度
- 社内昇進が可能かどうか
上記に挙げたものはどれも仕事を選ぶ際に重要となってきますし、働く上で譲れない条件などもあるでしょう。しかし、今の目先の条件ばかりを優先して仕事を選んでいては、なかなか正社員として事務職を勝ち取ることは出来ません。
まずはこれらの条件を考える前に、今後の長期的なキャリアビジョン(あなたがどのようなキャリアを築き、どのように仕事をしていたいかという将来の計画)を考えることが先です。
では、具体的にどのようにキャリアビジョンを考えれば良いのか、確認していきましょう。
目指したい方向性を決める
まずは長期的な視点で、あなたの目指したい方向性を決めましょう。
事務職に正社員として転職すると一口に言っても、実際には下記のように、事務職は様々な種類に分かれることをご存知でしょうか?
大きな括りでは上記は全て事務職とは言え、具体的な仕事の内容は、会社の規模や業種、配属先の部署などによってまったく異なります。もちろん、求められるスキルや経験なども異なってきます。
事務職に正社員として転職を目指すのなら、具体的にどの種別の事務職を目指すのか、今後のあなたの進むべき方向性を事前に明確にしておきましょう。
では、どのように、今後の方向性を決めれば良いのでしょうか?
そこで重要になってくるのは、一つ前の項でご説明した徹底的な自己分析(キャリアの棚卸し)です。これまで経験してきた仕事について、どのようなことに携わっていたのか、これまでにどのような経験をして、今の自分にはどのようなスキルがあるのかを書き出し、そこからご自身の強みと弱みをまずは分析することが大切です。
例えば営業事務の場合、取引先の顧客を中心に社内外で多くの方とコミュニケーションを取る必要が出てきます。また見積書や請求書などの資料作成や、営業担当のプレゼン資料の作成を手伝ったりなど、他の事務のお仕事に比べてPCスキルも必要とされます。このため、コミュニケーション力、またはPCスキルに自信がある方は、営業事務を目指されるのは良い選択と言えるでしょう。
反対に、あまりコミュニケーションスキルに自信がなかったり、どちらかというとコツコツ作業を進めて行きたい方や、PCスキルに自信がないような方の場合は、経理事務を目指すという選択肢もあります。経理事務は一般的に専用の会計ソフトを使うことが多いため、会計ソフトの使い方を覚える必要性はありますが、ゼロから資料を作成するようなことはあまりないため、高度なPCスキルは不要な場合が多いです。またお金の流れ等をチェックするポジションから、正確性を求められるため、集中してコツコツ作業を進めていく業務が向いていると感じる人にも適していると言えるでしょう。
例えば営業事務を目指す場合、コミュニケーションスキルには自信があるけど、PCスキルは自信がないといった場合は、PCスキルを身に付ければ営業事務として即戦力として活躍ができる人材になれますよね。
また、経理事務や貿易事務を目指す場合は、関連する資格(簿記検定や語学資格、貿易実務検定等)を積極的に取得することで、他のライバルに一歩差を付けることができます。
このように、自分自身がどのようなゴールを目指したいのかをハッキリと描くことで、その方向性に向かってブレずに行動を起こすことができ、結果的に効率よく転職活動を進めることが出来るようになります。
スキル・経験不足の場合は、まずは派遣社員として経験を積むことも検討を
繰り返しになりますが、事務職への正社員での転職というのは、スキルや経験が不足している場合、非常に難しいと言わざるを得ません。
特に30代~40代での転職の場合、即戦力として活躍ができる人材が求められる傾向にあり、応募をするポジションに必要な専門的なスキル(テクニカルスキル)がないと、なかなか正社員での転職は望めません。
このため、今まで事務職未経験の方や、スキル・経験不足の方などは、事務職の正社員採用をストレートで目指すのではなく、まずは派遣社員として、事務職の経験を積むことも検討しましょう。
派遣社員として経験を積むメリット
派遣社員として事務経験を積む場合、下記のメリットがあります。
- 比較的採用されやすい
- 未経験やスキル・経験不足でも事務系の求人が多いため採用の可能性が高い
- 希望条件が叶う可能性が高い(仕事内容や勤務地、勤務時間など)
- 様々な職場で異なる事務経験が積める
- 派遣会社が行っているスキルアップ講座やビジネスセミナーなどが無料で受講できる
以上のように、未経験やスキル・経験不足であっても、正社員での採用に比べ、比較的事務職に就くハードルは下がります。
事務職の正社員になるためには、まずは実務経験を積み、専門スキルを身に付け、即戦力で働けるスキルを身に付ける必要があります。
このため、まずは間口が広い派遣社員として様々な事務経験を積むことが出来れば、それはその後の事務職正社員採用に大きく繋がることになるでしょう。
派遣社員として事務職に従事するために最低限必要なこと
派遣社員として働くメリットをお伝えしましたが、派遣社員として働くためには、最低限必要なことがあります。それはズバリ、PCスキルです。
どこの派遣会社でも、派遣登録を行う際は、あなたがどのような人材なのかを判断するために「スキルチェック」を行います。このスキルチェックの主な内容は、PCスキルチェックとなり、
- タイピング・テンキー
- Excel(エクセル)
- Word(ワード)
これらのPCスキルがどの程度あるか、必ず事前に確認されます。
当たり前の話ですが、事務職はPCスキルは必須です。このため全くPCスキルがないという方は、残念ながら派遣登録を断られたり、登録をしても事務案件のお仕事を紹介してもらえない場合もあるため、PCスキルについてはある程度事前に身に付けておく必要があります。
最低でも、下記表の「初級」レベルのPCスキルは、事前に勉強して身に付けておきましょう。
独学での勉強が難しいと感じられる場合は、積極的にパソコンスクールの受講を検討してみてください。
<スキルチェックのレベル例>
初級
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中級 |
上級 |
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---|---|---|---|
タイピングスピード(1分間) |
60~70文字 |
80~100文字 |
100~150文字 |
エクセル |
データを入力・四則演算 |
表・グラフ・関数 |
データベース・マクロ・VBA |
ワード |
文章の作成・印刷設定 |
表やグラフが入った文章の作成 |
セクション操作・テンプレートの作成 |
事務職で経験を積みたい方にオススメの派遣会社とは?
それでは最後に、事務職でのスキル・経験を積みたい方にオススメの派遣会社をご紹介していきます。
希望する事務職のお仕事、また条件が良いお仕事の紹介を受けるためには、出来れば3社以上の派遣会社に登録することをオススメします。
テンプスタッフ |
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求人数 | 30,000件以上~ |
対象年代 | 20代・30代・40代・50代 |
対応エリア | 全国(447拠点) |
おすすめポイント | |
テンプスタッフは日本全国に拠点があり、求人数も多く、どの地域に住んでいても派遣の仕事が紹介されることが魅力です。また、取引企業はベンチャーから大手企業までと幅広いことなどが特徴です。 他の派遣会社よりもスキルアップ講座が充実しており、未経験でもOKの求人が多いため、サービス業や販売職から事務職へのキャリアチェンジを目指されている方には特にオススメの派遣会社です。 |
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利用をオススメするのはこんな人 | |
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スタッフサービス |
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求人数 | 80,000件以上~ |
対象年代 | 20代・30代・40代・50代 |
対応エリア | 全国(166拠点) |
おすすめポイント | |
スタッフサービスは派遣会社の中で最大手であり、取引先企業は4万社以上、求人数については8万件以上を有している派遣会社です。このため、お仕事の紹介スピードが早く、『スピードと求人数』は常に業界トップクラスと評判の派遣会社です。 求人数が多いということは、それだけ希望の職種に就ける可能性が高いと言えます。事務職の求人数だけでもかなりの案件数になるので、スキル面や年齢面などで、他社でなかなか事務職のお仕事を紹介されなかった方は、一度スタッフサービスの派遣会社に登録してみることをオススメします。 |
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利用をオススメするのはこんな人 | |
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パソナ |
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求人数 | 13,000件以上~ |
対象年代 | 20代・30代・40代・50代 |
対応エリア | 全国(90拠点) |
おすすめポイント | |
パソナの派遣案件は高時給・大手上場企業・事務職が非常に多く、これまで身に着けた事務経験を活かしたい方はもちろん、これから事務職にチャレンジしたい人にも強い派遣会社です。また派遣スタッフ満足度調査で、パソナを友人に勧めたい派遣会社「クチコミNo.1」をなんと7回も獲得するほど、口コミ評価では他社を圧倒するほど高評価の派遣会社です。 事務職に関連する一定のスキルがある方には特にオススメです。 |
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利用をオススメするのはこんな人 | |
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さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は事務職への正社員採用を目指されている方が知るべき知識やポイント等について、本記事にまとめさせて頂きました。
事務職の正社員採用は、確かに大変難しいというのが現状ではありますが、事前にきちんと対策を練っておけば、正社員転職を叶えることは十分に可能です。
今回本記事でご紹介した内容をもとに、今一度これまでのキャリアを振り返っていただき、まずはあなたに必要な対策や準備を考えていきましょう。そうすることで、結果的に効率よく転職活動を進めることが出来ます。
本記事が、あなたの正社員転職に向けた第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
この記事を書いた人 Kanako 大手企業からベンチャー企業まで3社を経験。退職を機に明治大学のスマートキャリアプログラムを受講し、学び直しの重要性を体感。その後、当サイトの企画・運営に携わる。 |